CADオペレーターはやめとけ？向いている人から将来性・年収まで解説

CADオペレーターは建築や機械、メーカーなどで設計図をデータ化する役割を担います。CADソフトを扱える人材がまだまだ少ないことから、需要が高まる一方でCADオペレーターについて以下のような意見があります。

• 「CADオペレーターはやめとけというのは本当？」
• 「CADオペレーターは将来性あるの？」
• 「CADオペレーターに向いている人はどんな人？」

実際にCADオペレーターとして働いている人のなかには転職を考えている人も少なくはありません。

そこで本記事では、CADオペレーターについて解説します。最後まで読んでいただくことでCADオペレーターのキャリアについて考える機会になるでしょう。是非参考にしてください。

CADオペレーターとは？簡単に説明

CADオペレーターは建築や土木、機械などの設計図をデータとして入力する設計補助の役割があります。業界によって扱うCADソフトは異なりますが、大まかな流れは設計者が描いた図面の下書きを清書することです。

CADオペレーターが作図した図面は設計者にチェックしてもらい、修正があれば対応をします。問題なく完成すれば、製品の試作品や建築物の基礎を作るときに重要な図面として活躍します。自分が作図した図面が将来的に世の中で流通される物として生産が始まるため、大きなやりがいを感じられるでしょう。

CADオペレーターはやめとけと言われる理由（デメリット）

「CADオペレーターはやめとけ」と言われる理由には、以下のような意見があります。

それぞれ具体的に説明します。

残業時間は毎月20～30時間が当たり前

CADオペレーターとして働く人が配属する会社や部署によっては毎月20～30時間が当たり前です。製作する物によっては図面の規模や複雑な作図が必要になるため、設計者とのやりとりが増えます。

多忙な設計者と仕事をする場合は、打ち合わせの時間が十分にとれないデメリットがあります。また、図面の修正にあまり時間をかけられないプレッシャーに負けない精神力が必要です。

長時間デスクワークが強いられる

CADオペレーターは基本的にデスクワークが中心なので、就業時間から帰宅時間まで座りっぱなしの人が多い職業です。身体的な負担は少ないですが、運動不足になりがちです。動き回ることが好きな人にとっては苦痛に感じることも少なくはありません。

しかし、CADオペレーターは作図以外にも資料作成などの事務作業もあるため、ExcelやWordの基本的なスキルを身に付けられます。肉体労働よりも知的労働が好きな人に向いているでしょう。

納期が短期間で厳しい

CADオペレーターは設計者から下書きが渡されるまで待機しなければならないため、納期がギリギリで厳しい人もいます。常に納期が厳しいことは少ないですが、仕事が振られるまで作図しない日が続くことも珍しくはありません。

繁忙期になると必然的に残業時間が増加するため、気づいたら日が変わる時間まで残る人もいます。仕事が少ない期間は定時で帰宅できますが、CADオペレーターとして働く場合は納期による残業も覚悟しておきましょう。

会社によって作図のルールが異なる

会社によって仕事のやり方はもちろん、作図のルールも異なります。たとえば、作図で利用するテンプレートのデザインや図面番号の入力方法はルール化されているため、会社のルールに従わなければなりません。

また、作図した図面のチェック方法や正式に会社の図面として承認を得るために複数の人にチェックしてもらうなどの工程があります。転職する場合は、前の会社のルールは通用しないことを覚えておきましょう。

専門用語を理解するまで時間がかかる

未経験からCADオペレーターに挑戦する人は業界の専門用語を理解する必要があります。実際に職場では会話のなかでも専門用語を使う人が多いので、入社したての人にとっては理解が追いつかないことがあります。

聞いたことがない言葉はメモしておくといいでしょう。誰かに聞くのが一番早いですが、ネットで検索してわかることもあるため、自分から積極的に調べて聞く姿勢が求められます。

作図・修正の繰り返しで単純作業が多い

CADオペレーターの仕事内容は基本的に作図と修正がおもな業務です。毎回、作図する図面は異なりますが、ほとんど決まった流れで作業を行います。慣れると単純作業になるため、他に刺激が欲しい人にとっては飽きてしまうでしょう。

作図・修正以外にも電話対応や経理を任されることもあるため、単純作業でも苦にならない人はCADオペレーターの仕事に向いています。

CADオペレーターの魅力的な部分（メリット）

CADオペレーターは事務系の仕事のなかでも専門的な知識が必要なため、難しいイメージを持つ人も多いでしょう。納期が厳しい面もありますが、大きなやりがいを感じられる面もあります。CADオペレーターの魅力的な部分について詳しく説明します。

PCスキルを身につけられる

CADオペレーターは毎日PCを使うため、お金をもらいながら必要なスキルも身につけられるメリットがあります。日常生活では使わないようなPCの機能やソフトの使い方を理解できるようになれば、転職先でも役に立ちます。

会社の部署によって使用するCADソフトは異なりますが、ExcelやWordで資料作成ができる程度のスキルは求められます。PCスキルが高い人ほど会社では重宝されるため、身につけて損することはありません。

時給が他の事務よりも高い

CADオペレーターの魅力は他の事務よりも時給が高い点です。専門的な知識やスキルが高い人材ほど時給も高くなるため、高収入が期待できます。ブランクがある人でも過去に実務経験やCADスクールを卒業した場合は優遇されやすい傾向があります。

派遣会社に所属している派遣社員が企業に配属されるケースが多いため、一般的な事務よりも稼ぎたい人にとっては魅力的な仕事です。

未経験でも始められる

CADオペレーターは所定の専門学校や大学を卒業していなくても、高卒の人であれば誰にでもできる仕事です。特に資格も必要ないため、必要最低限のPCスキルとやる気次第でCADオペレーターとして働けます。

未経験でも始められるメリットはかなり大きく、実務経験とスキルがあれば、一生仕事には困らない魅力があります。

「CADオペレーターの仕事には興味があるけど未経験だからできない」と諦めるのではなく、まずは知識を学ぶところから始めることが大切です。

実務経験とスキルがあれば仕事には困らない

CADオペレーターの大きなメリットは、実務経験とスキルがあれば仕事には困りません。CADを扱える人はまだまだ少ないため、どの企業でも重宝される存在になります。

また、CADオペレーターは日本全国どこにいても募集している企業があるので、引っ越してもスキルを活かして続けられます。長く求められる人材になるためには日々のスキル向上は必要不可欠です。

CADオペレーターが向いている人はこんな人

CADオペレーターは未経験の人でも始められる仕事ですが、人によっては向き不向きもあります。長時間のデスクワークや残業もあるため、働くからには多少の覚悟も必要です。CADオペレーターに向いている人について紹介します。

コミュニケーションが得意な人

CADオペレーターは設計者とのコミュニケーションが欠かせないため、外交的な人に向いています。デスクワークが中心ですが、意外とコミュニケーションが求められます。スケジュールや進捗状況の共有は積極的に行うくらいの姿勢がいいでしょう。

特にCADオペレーターはミスが許されない業務を担っているため、慎重さと注意深さも必要です。

スキルがなくても積極的に学ぶ姿勢がある人

CADオペレーターはスキルがない人でも始められる仕事ですが、受け身では成長ができません。組織の一員として配属されているため、何かしらのアクションは必要です。最初は知識やスキルがない状態で始めるため、わからないことばかりで苦しい時もあります。

どの仕事でも積極的に学ぶ姿勢のある人はかなり有利です。

毎日のルーティンワークが苦にならない人

CADオペレーターは作図や事務作業が中心ですが、作業の流れがルール化されているなら毎日同じことの繰り返しです。ルーティンワークが苦手な人もいるため、飽きてしまう可能性があります。

CADオペレーターの仕事内容をしっかり確認したうえで、就職することがおすすめです。

CADオペレーターが向いていない人はこんな人

これからCADオペレーターになりたい人や就業中の人は、向いていない人の特徴に当てはまったら職場を変えるタイミングかもしれません。CADオペレーターに向いていない人の特徴も確認しておきましょう。

内向的で消極的な性格の人

CADオペレーターはPCに向かって作業するだけのイメージが強いですが、実際にはコミュニケーションスキルが求められます。特にミスが許されないため、報告・連絡・相談が必要不可欠です。

最終的に図面を完成させることが目的なので、コミュニケーションが苦手な人は聞く回数を重ねて小さな成功体験を積み上げましょう。

過去のミスを引きずりやすい人

人間は誰でもミスするため、時には叱られることもあるでしょう。過去のミスを引きずりやすい人は注意された相手に対して、警戒心を抱くようになります。当てはまる人は仕事の妨げになりやすく、相談できないまま同じミスを多発する可能性があります。

職場の人間関係に支障が出ると仕事も上手くいかなくなるので、転職を検討してみましょう。

自分の裁量で仕事がしたい人

CADオペレーターの仕事は大まかに言えば、毎日同じことの繰り返しです。最初のうちは新しいことばかりで楽しく感じても、ある程度慣れると飽きてしまう人もいます。

設計者や上司から細かく指示されるよりも、自分の裁量で仕事がしたい人には向いていません。

CADオペレーターになるには？

CADオペレーターになるには特別に資格や学歴も必要ありません。研修制度が充実している企業であれば、未経験からでも1人前のCADオペレーターになれるでしょう。しかし、研修も十分に行われずにすぐに配属されるケースも少なくはありません。

就職する前にCADスクールで製図を学ぶ方法もあります。スクールではCADオペレーターに必要なスキルを身につけられます。また、CADスクールを卒業した人は転職でも有利になるため、時間に余裕のある人は検討してみましょう。

CADオペレーターの将来性

AIの発達が進むにつれて、将来的に従来のCADオペレーターの仕事がなくなる可能性は大いにあります。

事実として野村総合研究所が2015年12月2日に公表した資料の「人工知能やロボット等による代替可能性が高い 100 種の職業」にCADオペレーターも記載されています。

そういう意味で言うと図面修正やトレース作業といった業務スキルだけではAIに代替される可能性があり、将来性は低いかもしれません。

また、2Dから3Dに移行するのと同時に2DCADオペレーターの仕事が減る可能性は十分にあります。建築業界や機械業界では3DCADを使用したデータ化が進んでいるため、3DCADオペレーター自体の需要は今後も高まるでしょう。

CADオペレーターの年収

CADオペレーターの平均年収は*約525万円が相場です。経験年数とスキルが高ければ、収入アップの可能性はあります。

最近では3DCADオペレーターの需要が高いため、時間がある人はCADスクールでスキルを身につけると年収アップが期待できます。今の年収では満足できない人は必要なスキルを学ぶことがおすすめです。

(*情報元:求人ボックス)

CADオペレーターでキャリアアップをしたい方へ

現在CADオペレーターとして活躍している人の中には「仕事そのものは好きだけど会社に不満がある」という人もいるでしょう。残業を強いられて自分の時間がなく、給料に見合っていないと感じることも多々あると思います。

今の会社に不満がある人は、好待遇な同業他社への転職を検討してもいいでしょう。

同じCADオペレーターの仕事でも、複数の会社を経験することで知識が深まり、キャリアアップにつながります。

また、実際の求人を見ても「CADオペレーター＋α」の内容を求められていることが多く、この＋αを把握し習得するのがキャリアアップの近道です。

どんな求人があるのか見るだけでも求められるスキルがわかるので、まずは転職サイトに登録して求人内容をチェックしてみてくださいね。無料会員登録した人にしか開示されていない情報も詳しく調べられます。

CADオペレーターをやめたい方へ

手に職をつけるためにCADオペレーターに転身したけど、実際にやってみると入社前のギャップを感じる人も少なくはありません。CADオペレーターは職業の特性上、どうしても個人に仕事が集中しやすい傾向にあります。また、人手不足も深刻で辞めたいとも言えないまま時間だけが過ぎていくことになりかねません。

社内の人間関係も上手くいかずに毎朝の出勤が辛く感じたら、強制的に退職ができる代行サービスを検討してみましょう。退職代行は弁護士が自分の代わりに企業とやりとりするため、正式に退職が決まるまで出社せずに済むケースもあります。今すぐに辞めたい人は即日で対応可能な代行サービスがおすすめです。

まとめ

本記事では「CADオペレーターはやめとけ？」の疑問に対して、CADオペレーターに向いている人から将来性や年収について解説しました。自分が作図した図面をもとに生産された商品が世の中の役に立つやりがいはかなり大きいでしょう。

しかし、CADオペレーターに求められているスキルは時代が進むにつれて変化しています。

これからCADオペレーターとして活躍したい人やCADオペレーターをやめたいと考えている人は、この機会にスキルアップと転職を検討してみましょう。