Webデザイナーはやめとけ！と言われる理由は？業界のリアルな実態

やめとけ、と言われることも多いWebデザイナーの仕事。

Webデザイナーはやめとけと言われる最も大きな理由は、デメリットばかりが目立っているからです。

しかし、Webデザイナーにはメリットもあり、全ての人に「やめとけ」という意見が当てはまるわけではありません。

この記事では、やめとけと言われる理由を解説するとともに、Webデザイナーに向いている人の特徴や将来性など、リアルな実態についても解説します。

Webデザイナーとは？簡単に説明

Webデザイナーとは、依頼されたサイトをデザイン・制作する仕事をしている人のこと。

具体的には、Photoshopやillustratorなどのソフトを使ってバナーやアイコンを作成し、htmlやCSSと呼ばれるプログラミング言語を用いてWebサイトを制作します。

また、ゼロからサイトを立ち上げるだけでなく、既に公開されているサイトを修正したり変更を加えたりするのもWebデザイナーの仕事です。

Webデザイナーが制作するサイトは、自社サイトからクライアントの依頼サイトまで多岐に渡り、勤務する会社によって比率が変わります。

Webデザイナーはやめとけと言われる理由（デメリット）

なぜ、Webデザイナーはやめとけと言われるのでしょうか？

ここでは、理由となっているデメリットを紹介します。

給料が低い

Webデザイナーはやめとけと言われる大きな理由は、給料が低いからです。

厚生労働省が発表した令和3年賃金構造基本統計調査によると、デザイナー職の所定内給与は、役職者も含めて315.3千円でした。

参考元：賃金構造基本統計調査 / 令和３年賃金構造基本統計調査 標本誤差率

月給にすると25～30万円前後になりますが、そうすると賞与が支給されても年収400万円に届くかどうかというところで、国税庁が発表した給与所得者の平均年収433万円には到達できないWebデザイナーが大半です。

残業が多い

Webデザイナーは残業が多く、連日長時間労働になりやすいことも、やめとけと言われる理由でしょう。

残業が増えてしまうのは「納期」と「修正依頼」があることが主な理由です。

Webデザイナーは複数のクライアントワークを掛け持ちで担当するのが一般的ですが、納期が重複すると作業量が膨れ上がり残業を余儀なくされます。

また、どれだけ計画的に作業を進めていても、突然クライアントから「今日中にここを直して！」「やっぱりデザインを大きく変えて！」と無茶振りされ、残業する羽目になることも珍しくありません。

健康を害するリスクがある

Webデザイナーはパソコンの前で黙々と作業するのが基本。

人から「座り仕事は楽そうでいいな」と羨ましがられることもあるでしょう。

しかし長時間パソコン作業をすることで、肩こり、腰痛、ドライアイなど、さまざまな健康被害が出やすいのが現実です。

手をたくさん動かす仕事なので、腱鞘炎を発症するWebデザイナーも少なくありません。

年齢を重ねるにつれ症状が悪化し仕事を続けられなくなる可能性もあり、このような健康リスクの高さもWebデザイナーはやめとけといわれる理由です。

Webデザイナーが増えすぎている

Webデザイナーは、やる気さえあれば独学でもスキルを身に付けられ、何歳からでも挑戦できる仕事です。

しかし、だからこそWebデザイナーになる人は急増しており、Webデザイナーになれば多くのライバルとの競争は避けられません。

クライアントから求められるWebデザイナーになるためには、基本的なWebデザインスキルに加え何かプラスアルファの才能を持つ必要があり、求められるものが多いからやめとけと言われているのです。

クリエイティブを感じない作業も多い

クリエイティブな仕事じゃないから、Webデザイナーはやめとけと言う人も多いです。

Webデザイナーは「おしゃれなサイトを生み出すクリエイティブな仕事」というイメージがあるかもしれません。

しかし、クライアントの指示に従ってサイトを制作するのがWebデザイナーの基本業務なので、実は自分のクリエイティブセンスを爆発させる機会はそこまで多くないのが実情。

Webデザイナーをクリエイティブな仕事だと思って志望すると挫折しやすいため、やめとけと言われているのです。

Webデザイナーの魅力的な部分（メリット）

やめとけと言われることが多いWebデザイナーの仕事ですが、もちろん魅力もあります。

ここでは、デメリットに対抗するメリットを紹介しましょう。

スキルを使って転職しやすい

Webデザイナーのスキルを持っていれば、たとえ仕事を失っても転職先が見つからないということはありません。

Web制作会社だけでなく、近年は一般企業も自社サイト強化のためWebデザイナーを欲しがっています。

また、Webデザイナーは担当する仕事の範囲が広いので「基本的なパソコンスキルは一通り身についている」と判断され、パソコンを使う他業種でも採用されやすいです。

柔軟な働き方ができる

パソコンとネット環境さえあれば業務可能なので柔軟な働き方ができるのも、Webデザイナーの魅力。

もちろん勤務先にもよりますが、リモートワークやフレックス制度を積極採用している会社が多く、Webデザイナーは比較的自由な働き方ができる仕事です。

また、派遣やパート、フリーランスなど雇用形態もさまざまで、たとえライフスタイルが変わっても新生活に合わせて働き方を変えられます。

仕事の成果がわかりやすい

制作したサイトは、どれくらいアクセスがあったか、掲載した商品が売れたかなど、成果が全て数値化されます。

このように、一目で自分の仕事の成果を把握できやりがいを感じられるのも、Webデザイナーの仕事のメリットといえるでしょう。

時には成果が全く得られず落ち込むこともありますが、だからこそ高い成果を挙げられたときの喜びもひとしお。

成功・失敗の判断がすぐにつくため「これでいいのかな」と悩みながら仕事をすることもありません。

年齢を重ねても活躍できる

「大人なセンス」が求められることも多く、年齢を重ねても活躍できる環境が整っている点も、Webデザイナーのメリットといえます。

Webデザイナーが手掛けるサイトは、若者向けのサイトからお年寄りをターゲットにしたサイトまでさまざまです。

そのためクライアントによっては、サイトを見る人に寄り添って制作してもらいたいという理由で、閲覧ターゲットと同年代のWebデザイナーを探すケースも珍しくありません。

独立して稼ぐのも夢じゃない

Webデザイナーになれば、最終的には独立して自分一人で稼ぐことも夢ではありません。

独立すれば今まで以上に自由な働き方ができるほか、能力次第では大きく稼ぐことも可能です。

また、いきなり独立するのは難しくても、副業として個人で活動しやすいのも魅力でしょう。

事実、雇われWebデザイナーが副業でもWebデザイン業を始め、副業が軌道に乗ったタイミングで独立するケースも多いです。

Webデザイナーが向いている人はこんな人

やめとけと言われることもあるWebデザイナーですが、以下のような特徴を持つ人は素質があり、楽しく働けるはずです。

新しいものにワクワクできる人

Webデザイナーになれば、常に新しい機能やデザインのトレンドを追いかけなくてはいけません。

そのため、新しいもの好きの人はWebデザイナーに向いているといえるでしょう。

日々進化するWebの世界にワクワクできる人なら知識の吸収も早く、学び続けることに苦痛を感じないはずです。

地道な作業でもコツコツ頑張れる人

Webデザイナーの仕事は地道な作業の連続なので、物事にコツコツと取り組めるタイプの人が向いています。

皆でわいわい仕事をするより、一人で集中して手を動かしたい！という人には、まさに天職といえるでしょう。

人のために行動するのが好きな人

普段から人のために行動するのが好きな人は、Webデザイナーの素質があるでしょう。

Webデザイナーは自分の思い通りにサイトを作るのではなく、クライアントや会社のために指示に従ってサイトを制作します。

よって、自分の創作意欲を満たすのが好きな人ではなく、人のために自分の創作意欲を使える人のほうが向いているのです。

Webデザイナーが向いていない人はこんな人

ここでは、Webデザイナーを目指しても「やめとけ」「向いていない」と止められる人に共通する特徴を紹介します。

コミュニケーション能力がない人

Webデザイナーは、クライアントや上司からデザインの希望を聞いたり、製作途中でデザインの確認をお願いしたりと、意外と人と話す機会が多いです。

そのため、コミュニケーション能力がない人は、Webデザイナーには向きません。

優れたWebデザイナーになるためには、デザインスキルだけでなく聞く力・伝える力が求められます。

効率を考えられない人

Webデザイナーに求められるのは「納期内に高品質なサイトを作ること」です。

そのため、頭の片隅で常に「納期」を意識し、効率的に動ける人でなければWebデザイナーは勤まりません。

効率を考えられない人がWebデザイナーになると、どんどん仕事が後ろ倒しになって残業地獄に陥ってしまいます。

根気強さがない人

嫌なことをすぐに投げだし、根気強さがない人はWebデザイナーに向かないのでやめとけと言いたいです。

Webデザイナーにとって、自分の思い通りにサイトが組み上がらないことは日常茶飯事。

すぐに問題が解決すればいいですが、たった一つの問題を解決するのに何時間もかかるケースも珍しくなく、Webデザイナーには根気強さが求められます。

Webデザイナーになるには？

やめとけと言う声もありますが、Webデザイナーはメリットもある仕事なので、向いている人なら思い切って挑戦してみるのもアリ！

Webデザイナーになりたい人が今やるべきことは、Webデザインのスキルを習得することです。

未経験可となっているWebデザイナーの求人でも、ソフトの基本操作やサイト構築の基礎知識は求められることが大半なため、まずはスキルを身に付けましょう。

Webデザイナーのスキルを身に付ける方法は「独学」「スクールなどに通う」の二択ですが、本気でスキルを身に付けたいなら断然スクールに通うのがおすすめ。

近年は家に居ながら本格的なレッスンが受けられるオンラインスクールもあり、全国どこに居てもWebデザイナーのスキルを学習できます。

一人でわからないことに向き合うよりも、教えてくれる人がいたほうが効率的にスキルを習得できるので、短い学習時間で確実な能力を身に付けられるはずです。

Webデザイナーの将来性

Webデザイナーになりたいときに不安なのが将来性。

近年は特にSNS運営に力を入れる企業が増えていることから、Webデザイナーの将来性を不安視する人が少なくありません。

ですが、インターネットが普及し今後ますます発展していくことが見込まれているWeb業界において、デザイナーは欠かせない存在です。

また、Webデザイナーは能力次第でディレクターへのキャリアアップや独立も可能で、将来の選択肢が広がる仕事といえるでしょう。

Webデザイナーの年収

「やめとけと言われる理由」の項目でもお伝えした通り、Webデザイナーの年収は良くて400万円前後であり、決して高くはありません。

Webデザイナーとして高収入を得たい場合は独立を視野に入れ、自分にしかない強みを生かして仕事ができるようスキルを磨きましょう。

Webデザイナーでキャリアアップをしたい方へ

現在Webデザイナーとして活躍している人の中には「仕事そのものは好きだけど会社に不満がある」という人もいるでしょう。

そうでなくてもWebデザイナーは、給料が低かったり残業が多かったりと、ブラックな会社も多い仕事です。

しかし近年はデザイナーを大切にする傾向が強く、待遇を改善する会社も増えてきました。

したがって、今の会社に不満がある人は、好待遇な同業他社への転職を検討してもいいでしょう。

同じWebデザイナーの仕事でも、複数の会社を経験することで知識が深まり、キャリアアップにつながります。

どんな求人があるのか見るだけでも求められるスキルがわかるので、まずは転職サイトに登録して求人内容をチェックしてみてくださいね。

Webデザイナーをやめたい方へ

どんな仕事も、やってみないとわからないことがあります。

「Webデザイナーになったけど自分には向かないのでやめたい」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

しかし会社によっては、人間関係が悪かったり退職者が続出していたりして、やめると言い出しづらいケースも少なくありません。

もしも、Webデザイナーをやめたいのにやめられない状態が続いているなら、退職代行を使ってやめるという方法もあります。

退職代行は、あなたに代わって退職に必要な手続きを全てやってくれるサービス。

サービスを利用して確実かつスムーズに退職できれば、次の転職活動にも早く取り掛かれるはずです。

まとめ

Webデザイナーはやめとけと言う声が少なくありませんが、それは「よく考えずになると後悔するからやめとけ」という意味であり、どんな仕事にも当てはまることです。

「やりがいや将来性が全くないからやめとけ」と言っているわけではないため、誤解しないようにしましょう。

Webデザイナーは、給料の低さや残業の多さなど確かにデメリットを抱える会社も存在しますが、デメリットと同じくらいメリットもあります。

一度スキルを手に入れれば転職や独立もしやすくなり、多くの可能性を秘めた仕事だといえるでしょう。